概要とサマリー #
2025年8月期の第2四半期決算において、ウォンテッドリー株式会社は増収増益を果たした。営業収益は前年同期比6.4%増の2,477百万円、営業利益は23.9%増の924百万円、経常利益は24.3%増の915百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は29.2%増の578百万円に達した。この期間において、国内におけるビジネスSNS市場の活況を背景に、ストック収益とフロー収益の両方で堅調な業績を実現した。特に、顧客単価の改善が寄与した結果である。全体としてはポジティブな進展が見られ、今後の成長に対する期待が高まっている。
全社業績動向 #
ウォンテッドリー株式会社の全社業績は、厳しい市場環境の中でも成長を続けている。営業収益は増加し、企業向けサービスが好調であることが反映されている。流動負債や純資産の変動は、積極的な事業投資の一環として戦略的に行われており、長期的な成長を目指す姿勢が伺える。
| 指標 | 2025年8月期Q(累計) | 2024年8月期Q(累計) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,477百万円 | 2,327百万円 | 6.4% |
| 営業利益 | 924百万円 | 745百万円 | 23.9% |
| 経常利益 | 915百万円 | 735百万円 | 24.3% |
| 純利益 | 578百万円 | 447百万円 | 29.2% |
事業セグメント別の業績やKPI、事業の動向 #
ビジネスSNS事業 #
当社はビジネスSNSの単一セグメントで運営されており、全体の売上の70%以上を占める。具体的には、主力プロダクト「Wantedly Visit」の開発・改善を継続して行い、並行して新規事業として展開する「Engagement Suite」や「Wantedly Hire」の利用を推進している。中間期末時点での登録企業ユーザ数は42,000社、登録個人ユーザ数は420万人に達し、顧客基盤の拡充に成功している。今後も顧客単価の改善が見込まれ、さらなる収益増加が期待される。
事業/資本提携・M&A等の動向 #
当期には特筆すべきM&Aや資本提携の発表は無かったが、業界全体の動向を注視しつつ、新規事業領域の拡大に注力している。特に「Wantedly Visit」の機能追加や顧客ニーズに応えるサービス改善に向けた取り組みが行われている。
通期業績予想 #
2025年8月期における通期の連結業績予想は変更がなく、営業収益は4,970百万円の見込み。営業利益1,600百万円、経常利益1,580百万円、親会社株主に帰属する純利益は1,040百万円を見込んでいる。全体的には計画通りの進捗が期待され、各指標の成長率にもプラスを予想している。
| 指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,970百万円 | 4,720百万円 | 5.3% |
| 営業利益 | 1,600百万円 | 1,590百万円 | 0.4% |
| 経常利益 | 1,580百万円 | 1,580百万円 | 0.0% |
| 純利益 | 1,040百万円 | 1,040百万円 | 0.3% |
財務状態とキャッシュフロー #
中間連結会計期間における流動資産は前年同期比で1,145百万円の増加を示し、現金や預金の増加が寄与した。固定資産も165百万円増加しており、特に敷金の増加が要因とされる。流動負債も113百万円増加しており、今後の財務管理が重要となる。
株主還元 #
- 年間配当金の支払いは安定して推移する見込み。
- 2024年期の配当は合計20.00円を予定しており、2025年期の予想も同様。
- 自己株式の保有は217株で、特に大規模な株式取得の計画は無い。
今後の見通し #
ウォンテッドリー株式会社は引き続きビジネスSNS市場において堅調な成長が見込まれている。特に企業向けサービスが拡大し、顧客基盤のさらなる構築が重要となる。今後、新製品の投入と既存サービスの強化が焦点となり、顧客満足度を高めることが直接的な収益向上に繋がる。また、業界の動向に注意を払い、新しい事業機会を見逃さずに、長期的な成長を目指した戦略を展開していくことが重要である。