トヨタ自動車㈱ 2023年3月期 第4四半期決算概要

トヨタ自動車㈱ 2023年3月期 第4四半期決算概要

概要とサマリー #

2023年3月期の決算では、売上収益が37兆1542億円と前年同期比で18.4%の増加を示した。しかし、営業利益は2兆7250億円で前年同期比で9.0%の減少、親会社の所有者に帰属する当期利益は2兆4513億円で14.0%の減少となった。これは資材高騰の影響や北米市場における金融子会社での評価損等が要因である。全体的に見て、売上の増加にもかかわらず利益が減少し、厳しい経営環境が続いていることがうかがえる。


全社業績動向 #

2023年3月期の全社業績は、厳しい市場環境にもかかわらず売上は増加したものの、利益の減少が目立っています。特に北米や欧州での損失が影響を及ぼしており、これに伴い全社の利益率は低下しています。

指標 2023年3月期 2022年3月期 前年同期比
売上高 37,154,298百万円 31,379,507百万円 18.4%
営業利益 2,725,025百万円 2,995,697百万円 -9.0%
当期利益 2,451,318百万円 2,850,110百万円 -14.0%

事業セグメント別の業績やKPI、事業の動向 #

自動車事業 #

自動車事業は売上収益が約33兆8,200億円と前年同期比で18.2%の増加を達成したが、営業利益は2兆1,806億円で4.5%の減少となった。これは主に資材費の高騰によるものである。国内市場は堅調だが、北米市場では厳しい競争環境とコスト増が影響している。

金融事業 #

金融事業の営業収益も増加し、2兆8,096億円となり、前年同期比で20.9%の成長を見せた。しかし、営業利益は4,375億円に減少し、これは米国での評価損が影響している。


事業/資本提携・M&A等の動向 #

事業提携の見直しが進められており、特に新興市場への進出が加速している。新たなHEV・BEV技術を活用した製品戦略が強化されることで、競争力を高める意図が見られる。今後も新たな提携やM&Aが期待され、成長の原動力となる可能性がある。


今後の見通し #

2024年3月期において、トヨタは営業収益38兆円、営業利益3兆円を見込んでおり、前年同期比でそれぞれ2.3%および10.1%の成長が期待されている。為替レートの影響を抑えるため、円安の進行を予測しつつ、北米市場におけるさらなるコスト競争力向上が課題となる。加えて、グローバル市場における新技術の開発や持続可能なビジネスモデルの確立が求められ、今後の成長に向けた基盤を強化する方針だ。


株主還元 #

  • 2023年3月期の配当政策は、前期と同様に配当の増額を維持しており、株主還元の姿勢を明確にしている。
  • 自己株式取得を行い、資本効率の向上も図る方針。
  • 株主優待についても継続的に実施しており、定期的な還元策を通じて株主との信頼関係を強化している。