概要とサマリー #
2025年3月期のトヨタ自動車株式会社における決算は、営業収益が48兆0367億円と前年同期の45兆0953億円から増加し、前年度比6.5%の成長を記録した。営業利益は4兆7956億円となり、前年度の5兆3529億円から10.4%減少。経常利益も6兆4145億円から7.9%減少した。親会社に帰属する当期純利益は4兆7897億円となり、前年同期の5兆0714億円と比較して5.6%の減少を示した。本決算発表は良好な成長を示すも、利益面での減少が見受けられる結果となった。
全社業績動向 #
トヨタ自動車の2025年3月期の業績は前年よりも売上高が増加したが、利益面での減少が目立つ結果となった。特に営業利益の減少は顕著であり、諸経費の増加が主な要因とされる。資産の増加や自己資本比率の向上が見られるが、利益率の低下が懸念される。
| 指標 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 48,036,704百万円 | 45,095,325百万円 | 6.5％ |
| 営業利益 | 4,795,586百万円 | 5,352,934百万円 | -10.4％ |
| 経常利益 | 6,414,590百万円 | 6,965,085百万円 | -7.9％ |
| 純利益 | 4,789,755百万円 | 5,071,421百万円 | -5.6％ |
事業セグメント別の業績やKPI、事業の動向 #
自動車事業 #
自動車事業はトヨタ全体の営業収益の中で大きな割合を占めており、特に北米市場での売上が高い。営業収益は43兆1998億円と、前年よりも増加したが、営業利益は3兆9402億円と前年度比で減少した。市場での競争力は維持されているが、コストの増加が影響し、利益圧迫要因となっている。
金融事業 #
金融事業では営業収益が4兆4811億円と前年から増加し、営業利益も6835億円と増加した。融資残高の増加などが功を奏し、良好な業績を確保している。市場環境に対しても柔軟に対応していると考えられる。
事業/資本提携・M&A等の動向 #
トヨタ自動車は、今期も複数の戦略的な事業提携を進めている。特に、新エネルギー関連企業との提携を進め、電動化の推進に注力している。また、資本提携を通じて成長市場へ進出し、新規事業の展開を図っている。これにより、競争力を高め、持続可能な成長を目指している。
通期業績予想と進捗率 #
次期の業績予想として、2026年3月期の営業収益を48兆5000億円、営業利益を3兆8000億円、純利益を3兆1000億円と見込んでいる。進捗率については、売上高、営業利益ともに厳しい状況が続くと予想されている。
| 指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 48,500,000百万円 | 48,036,704百万円 | 1.0％ |
| 営業利益 | 3,800,000百万円 | 4,795,586百万円 | -20.8％ |
| 純利益 | 3,100,000百万円 | 4,789,755百万円 | -34.9％ |
株主還元 #
- 2025年3月期の配当金は、1株当たり90円で総額1178億4370万円を予定している。
- 自己株式の取得については、具体的な取得額や実施予定は示されていないが、株主還元に向けた施策は継続する方針である。
今後の見通し #
トヨタは今後も持続可能な成長を追求し、特に電動化技術においてリーダーシップを発揮する考えである。市場環境や競争状況に影響を受ける中で、コスト管理や効率的な運営を通じて利益の回復を目指す。新規事業や提携を進めることで、長期的な成長戦略を強化し、自動車市場における競争力を一層高めることが見込まれる。また、利益率を改善するための施策も続けていく方針である。